美杉町で、多くのお客様が訪れる場所と言えば三多気の桜と北畠神社ですが、今回は北畠神社のお話を少し。

北畠神社
北畠神社のおはなし
北畠神社は、室町時代を中心として伊勢国司として隆盛を誇った北畠氏をお祀りする神社で、神社に隣接する庭園は日本三大武家庭園として有名で、また神社の裏山からは、当時の山城であった霧山城跡に登ることができます。
北畠神社、霧山城跡と庭園を合わせて2017年4月6日に、続日本100名城に認定され、近年のお城ブームや御城印の発売開始もあって、訪れる方が増えています。

北畠顕家像

庭園
北畠神社の庭園
北畠神社の庭園は秋の紅葉が有名で、地域の住民が実施しているライトアップにより、幻想的な空間になります。
ただ、秋の北畠神社をご覧いただいた方は多いと思いますが、実は宮司さんのおススメは春から初夏にかけての新緑です。みずみずしく命にあふれた輝きが素晴らしいとおっしゃいます。
確かに、春の庭園を訪れると木々には若葉が色づき、庭園一面を覆う苔は秋から冬にかけて茶色がかり元気がないように見えたものが濃い緑になり、手で触ると優しく柔らかな触感でまるで生き返ったかのようです。
年間を通じて様々な景色を見せてくれる庭園は、人が作り出した自然の造形であり、当時の文化の深さを感じることができます。

秋の紅葉

ライトアップ
霧山城跡について
年間を通じて登山客が絶えない美杉町で、霧山城跡は少し変わっています。
まず登る客層が違います。
室生赤目青山国定公園のエリアにあり、東海自然歩道や近畿自然歩道、そして森林セラピーコースがある美杉町では、主に軽登山に慣れた方が山を楽しむことが多いのですが、霧山城跡へは普段は登山をされないような「お城ファン」の方々が訪れます。
お問合せをいただく際にはご説明するのですが、霧山城跡は山城であり、もともと山城は敵に攻められにくいように造られていたことからも想像できるとおり、城下町の中に建つようなお城を訪れるように簡単にはいきません。
以前、観光バスで来られたグループの方々がハイヒールを履いていたり、キャリーバッグを持っていたりした際には、驚きました。
安全のために、訪れる際には歩きやすい靴で、できれば荷物はリュックのような背負うタイプにして、両手は開けておいた方がよいです。
本丸跡へ
北畠神社から登り始めて約1.6km程度で山城があった本丸跡に着きます。距離は比較的短いですが急な勾配も多いので、休憩しながら自分のペースで登ってください。 苦労して登った先には、鐘突き堂と本丸跡の二つの頂があり、麓の集落や遠方の山々が見通せます。
霧山城跡では、雨の日の翌日などでは早朝深い霧がかかり幻想的な風景を見ることができますが、逆に見通しも悪くなることから、お一人ではなくグループで登るなど安全には十分注意が必要です。

霧山

霧山城跡石碑
よく知られているようで知らないことも多い北畠神社や霧山城跡。この夏、新たな発見を探しに訪れてはいかがでしょうか。